人間失格 (集英社文庫)
太宰 治
太宰「人間失格」、人気漫画家の表紙にしたら売れて売れて
(YOMIURI ONLINE / 読売新聞)
太宰治の代表作「人間失格」の表紙を、漫画「DEATH NOTE(デスノート)」で知られる人気漫画家、小畑健さんのイラストにした集英社文庫の新装版が6月末の発行以来、約1か月半で7万5000部、古典的文学作品としては異例の売れ行きとなっている。
この作品自体好きな作品か と訊かれれば、ちょっと即答できない微妙な読後感でしたが・・・
今回の新装版、表紙イラストが小畑健さんとは。
amazonの読者レビューでも指摘されているひとがいらっしゃるように、学生服姿の青年って「ライト」を連想させますよね。それで大きく「人間失格」と書かれているわけだから、DEATH NOTEを読んだことがあるひとであればつい笑っちゃうんじゃないでしょうか。私は実のところDEATH NOTEはあんまり好きな作品ではありません。続きが気になるから読んじゃうんだけど、作品としては微妙。共感したり応援したくなるキャラが居ないからなあ・・・。
小畑さんが手がけた漫画としては「ヒカルの碁」のほうが断然好きですね。ベタですが、あの作品をきっかけに息子は碁を始め、祖父と打ったりするようになったので、楽しかったし。
だけど、日本文学の表紙絵に人気漫画化を起用するという企画は今後増えていきそうな気がします(今回当たったから)。
ただ漫画家の画風というのはインパクトあるぶん、読者側の想像力を限定してしまうんじゃないかなとも思いますが、どうなんだろ。新しい読者層の開拓になって文学を読むひとが増えれば何がきっかけでもいいのでしょうが、どれもこれも漫画風にされていったら何となく抵抗が。文学の持つ「敷居の高さ」ってのも必要だと思うので。
この記事に対するコメント
先日「DEATH NOTE」イッキ読みしましたが、確かに「応援したくなる」キャラは皆無ですね。ニアとメロなんて、二人足したら猫目小僧みたいだし。個人的には、やっぱりリュークですかね。
ジャケ買いならぬ、ブックカバー買いが多そうですね(笑)持っているけどこちらも買おう という方もきっといらっしゃるでしょうし・・・。
>個人的には、やっぱりリュークですかね。
ああ、そうかも(爆)
これは決して悪口ではないのですが、あの作品って個人的に「いつまでも手元に置いときたい作品」じゃないんですよね。
読んでる間は続きが気になるけど・・・(汗)
ジャンプで先ごろ打ち切られるように連載が終わった「ラルグラド」なんかは小畑さんの絵でも全然面白くなかったし、やっぱり漫画の基本とはストーリーなんだなあという感を強くしました。
純文学もこうなっちゃうのかー、と。
しかも、「人間失格」でこのカヴァーかー、と。
中高生の、黒背景に赤や青の文字でブログ書いてるタイプの子たちが
こぞって手を出しそうな気がしたりして((((^^;)。
>文学の持つ「敷居の高さ」ってのも必要だと思うので
同感です。
とっつきやすけりゃいいってもんでもナイですよね・・・。
>純文学もこうなっちゃうのかー、と
「あさきゆめみし」みたいに完全に漫画化されるほうがまだ受け容れやすい気がしました。
それだったら名曲のカヴァーのようにオリジナル性が加味されるし、その作品に対する漫画家の熱意みたいなものを感じることができるのでしょうが、表紙だけをこんな風に変えてしまうってのは何となく「いいとこどり」っていう感じがしてしまう・・・
うーん・・・古い考え方なのかな(汗)
とりあえず、こうやって敷居を低くすることで文学作品を読む人が増えればいいですね〜