一昨日、車で街を走っていると、平日の午前中なのに中学生の姿がちらほら。
ああ、そうだ、今日は高校受験の前期入試合格発表の日だったっけ・・・。
地域によって、またその時代によって、高校入試の制度は微妙に違っているものなので「前期入試」と言ってもぴんと来ない方も多いかと。
埼玉は公立高校の入試が「前期(2月初旬実施)」と「後期(2月下旬実施)」に分かれており、「前期」は以前の「推薦入試」、「後期」はいわゆる「一般入試」に該当しています。推薦とは言っても2年前の改正以来全て自己推薦方式なので、昔の「推薦入試」とはまた微妙に異なってはいるのですが、一斉に5科目の筆記試験を行う後期と違って、各学校が独自に試験を行う前期は面接と作文・調査書のみで適性検査をするところもあり、芸術系の学校だと実技試験があったりします。
ああ、それにしても入試制度って何でこう、ころころと変化するんだろう。
自分にも受験経験があるとはいえ、ひと昔(ふた昔?)前の感覚では自分の子どもに対してさえ的確なアドバイスをしてあげられません。
埼玉県は2年前に学区制も廃止されちゃって公立は全県になってしまっているしね・・。現場の子ども達にとっては一つ一つの変化がどれもこれも困惑の種です。2年前に高校受験を体験した長女はその波をもろに受け、「前例がない」ことの連続でした。学区撤廃はアクセスのいい学校への一極集中を招いたので、うちから近い学校は軒並み信じられない高倍率になってしまったという・・・。(その半面、アクセスの悪い学校は定員割れ・・・みたいな)
そもそも「前期入試」は募集定員の約30%くらいしか合格者を出さないため、殆どの受験生が落ちます。この時点では不合格者は合格者の何倍も多い。中学校単位では中3の1割くらいしか「合格者」は居ないそうな。
そんななので、受かればラッキー♪てな感じの「前期」は、合格率が非常に低いと知ってはいるんですよ、受験生みんな。
でもね、やっぱりいざ不合格を体験すると誰でも辛いものです。泣き出す子も居ます。
2年前、長女も前期では第一志望に失敗し、泣きながら帰ってきました。受験生が歩く姿を見かけると、つい自分の娘の姿や自分の体験なんかがフラッシュバックするんですよね。
何かね、この「殆どの受験生は不合格」っていう入試制度ってね、「人生において不合格という試練を体験させるため」にやってるんじゃないかと、思ってしまうくらいです(そんなことは絶対無いだろけど)。
公立高校の合格発表というのは「掲示」なので、受験番号を自分で見にいかなくてはいけないわけですよね。情報化社会になっても従来どおり「掲示」で合格発表をやるというのは何となくアナログな気もしますが、自分の足で合格・不合格を確認しに受験した学校に行くというのは、意外に貴重な経験なのではないかな。
ちなみに私は「掲示」での合格発表で自分の番号があった例がありません・・・(爆)
高校受験は私立だったので郵送での合格発表だったし、大学受験のときはことごとく玉砕し、補欠合格の連絡は実家に電話が行ったので(汗)
まあ、補欠の番号が早かったので運良く潜り込めたんですけどね・・・。
いや、そんなことはどうでもいいんですけど、とにかく掲示発表で自分の番号が無いときの気持ちと言ったら何とも表現のしようがないような情けなさ悲しさに包まれます(そんなことは何回も経験した私)。
仮に同じ学校を受験した友人が居ても、一緒に行かないほうが無難です。殆どの場合、気まずいですから(全員が合格してればいいんでしょうけど)。
大人になってしまえば、不合格という体験も含めていい勉強だったと思えるようになるのですが、当事者はそんな悠長なこと考えられません。
だけど、不合格の味を知っているひとのほうが順風満帆に合格して生きていけたヒトビトより、ほんのちょっとだけ人生の苦さを知っているはず。ただ、その苦さをプラスにするかマイナスにするかは本人次第です。
受験生のみんな、がんばれ。